――便利さの裏にある「心理」と「手数料ビジネス」の全体像――
キャッシュレス決済は、
今や「使えて当たり前」の存在になりました。
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支払いは一瞬
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ポイントが貯まる
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現金を持たなくていい
しかし一方で、こんな違和感も増えています。
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気づくと出費が増えている
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家計管理が難しくなった
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なぜかスーパーは現金推し
これらはすべて同じ構造から生まれています。
本記事では、
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なぜキャッシュレスは使いすぎを生むのか
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その裏で誰が儲かる仕組みなのか
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なぜ食品スーパーはキャッシュレスを嫌がるのか
を 一本の線でつなげて解説します。
結論|キャッシュレス問題の本質
キャッシュレス決済は、
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人の出費感覚を鈍らせ
-
手数料で利益を得る
-
利益率の低い業界ほど不利になる
ように設計されています。
これは偶然でも陰謀でもなく、
人間の心理 × ビジネスモデルが噛み合った結果です。
① なぜキャッシュレスだと出費感覚が鈍るのか
現金は「痛み」を伴う
現金支払いでは、
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財布を開く
-
お金を見る
-
手放す
という動作を通じて、
脳が「資産が減った」と強く認識します。
この支払いの痛みが、
無意識のブレーキになります。
キャッシュレスは「支払い行為を消す」
キャッシュレスでは、
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タップ
-
かざす
だけで支払い完了。
結果、
「買った」という記憶は残る
「払った」という感覚は残らない
この状態は
支払いの分離(Payment Decoupling)と呼ばれ、
使いすぎを生む典型的な心理現象です。
クレジットカードは「未来の自分」に払わせる
クレジットカードは、
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今日使う
-
引き落としは来月
つまり、
支払いを先送りします。
人は未来の自分に対しては驚くほど甘く、
「今の快楽」を優先します。
② キャッシュレス決済会社はどうやって儲けているのか
キャッシュレス決済の基本構造はシンプルです。
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利用者:無料
-
店舗:手数料を支払う
一般的な手数料水準
| 決済手段 | 店舗手数料 |
|---|---|
| クレジットカード | 約3〜5% |
| QRコード決済 | 約1〜3% |
つまり、
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1,000円売上
-
30〜50円が決済会社へ
流れます。
ポイント還元の正体
ポイント還元は、
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店舗が払った手数料
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決済会社の販促費
が原資です。
「得している」のではなく
お金の流れが一周しているだけ
というのが実態です。
決済会社にとって理想の状態
決済会社にとって重要なのは、
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利用回数
-
利用金額
です。
だから、
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出費感覚が鈍る
-
客単価が上がる
設計は、
極めて合理的なのです。
③ なぜ食品スーパーはキャッシュレスを嫌がるのか
ここで視点を「使う側」から
「受け取る側(スーパー)」に変えます。
食品スーパーはもともと薄利
食品スーパーの営業利益率は、
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1〜3%程度
100円売って、
残るのは1〜3円。
手数料が利益を超える
もし、
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利益率:2%
-
手数料:3%
なら、
👉 売るほど赤字
になります。
これが、
スーパーがキャッシュレスに慎重な最大理由です。
値上げできない業界構造
食品スーパーは、
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競合が多い
-
価格比較が一瞬
-
数円で客が動く
ため、
👉 手数料を価格に転嫁できない
という致命的制約があります。
現金はスーパーにとって最強
現金決済は、
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手数料ゼロ
-
即時入金
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トラブルが少ない
スーパーにとっては
最も安定した決済手段です。
④ それでもキャッシュレスを導入する理由
スーパーも本音では、
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手数料は払いたくない
しかし、
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非対応=機会損失
-
若年層・観光客対応
-
社会的要請
により、
「やりたい」ではなく
「やらざるを得ない」
状態になっています。
全体構造を一言でまとめると
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消費者
→ 出費感覚が鈍る -
決済会社
→ 手数料で儲かる -
食品スーパー
→ 利益が削られる
キャッシュレスは、
全員に同じメリットをもたらす仕組みではありません。
まとめ|キャッシュレス時代に必要なのは「自覚」
キャッシュレス決済は、
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便利
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速い
-
お得に見える
しかしその裏では、
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人の心理を利用し
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手数料で回収し
-
薄利業界に負担を押し付ける
構造があります。
だから大切なのは、
使う・使わない
ではなく
理解した上で使う
という姿勢です。


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